呼吸を感じる空間

nekoyanagi-e


昨日から雪が降り、また寒くなってしまいましたが、
先日の日曜日はあたたかい一日でした。

窓から外を眺めていますと、変化する景色の色合いや匂いに
あわせて、家族で散歩されている方やジョギングされている方も
ふえてきて、春に近付いていることを感じます。

そんなおもいでいるときに、ふと目にはいってきたのがそばに
置いてあった勅使河原宏さんの本でした。

勅使河原さんは日本の芸術家で、草月流三代目家元です。
その本にはこんなことが書かれていました。

 「植物は、実に多彩な豊かさと美しさをもっています。
 それは自然が作り出したひとつの結晶といっても
 よいものです。わたしたちはこの結晶のいくつかを
 ひろい上げ、別の空間にもってきて、新たな結晶を
 創り上げるのです。
  目をこらして植物を観察してください。花だけが
 美しいのではありません。美しさは、いろいろな
   部分に宿っています。何ものにもとらわれない
 自由な眼で、新たな可能性を探ってください。」


ぼくはいけばなには全くの素人ですが、この文章を読んでいると
言葉にも通じるところがあるように感じました。話し言葉は
眼に見えないものですが、直線や曲線、形や色彩などを
イメージとしてもつには、いけばなから感じられることも多い
のではないかとおもっています。

そんなイメージを話し言葉にもつ必要があるのか、とおもう方も
いらっしゃるでしょうか。日常生活のなかで立体的な意識を
もつのは簡単なことではありませんが、このイメージをもつには
呼吸がとても大切になってくるように思います。

言葉をいけばなのように奥行きのある立体的なものとして
美しく感じるためには、美しくないものの存在も必要になって
くるでしょうか。

呼吸によって生まれる様々なものを感じる空間をもつことは、
日常生活でとても大切なことだとぼくはいつもおもっています。

一人でいるときも、大切な人といるときも、言葉は常に身体の
なかに存在しています。どのような空間で自分がもっている
言葉と付き合っていくのか、そんなことを身体のどこかで
感じていただける店にできたらどんなに素晴しいことでしょう。

ぼくもまだまだ学ばなければならないことはたくさんありますが、
いけばなと日本語のつながりも楽しんでいただけるような場を
創っていけれたらと思います。



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2015/03/11 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:生活

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